薬剤師の年収はいくらが相場?【年代・経験・役職・地域別に徹底解】

キャリア

「今の給料は薬剤師の年収相場と比べて妥当なのか」

 「将来どこまで収入を伸ばせるのかデータで確かめたい

このように考えている薬剤師の方は多いのではないでしょうか。

薬剤師の平均年収は一般の会社員より高めです。

ただし、技術職ならではの特性もあり、経験の積み方次第で収入差が広がりやすい点は、押さえておく必要があります。

本記事では、薬剤師の年収相場と年収アップの考え方を、次の観点で整理します。

  • 年代ごとの年収の目安
  • 経験年数による伸び方
  • 男女で差が出る理由
  • 他職種と比べたときの立ち位置
  • 年収を伸ばすための現実的な選択肢

年収相場を把握したうえで、収入を伸ばすための選択肢を確認したい方は参考にしてください。

年齢・経験年数・男女・役職で年収の伸び方は変わる

薬剤師の年収は、スキルとキャリアと連動して上がっていきます。

ただし、勤務先の業態や働き方に違いがあるため、同じ薬剤師でも経験の積み方によっては、全員が同じペースで伸びるわけではありません。

一般薬剤師として調剤や在宅業務にとどまるか、あるいは、管理職や専門領域へと役割を広げるかで、収入の伸び方が変わってきます。

今の給与が相場と比べて妥当か、将来どこまで伸ばせるかを判断するには、属性ごとの平均年収データを見て、確認しておくのがよいでしょう。

特に年収差が生まれやすいポイントは、次の2点です。

1つ目は、管理薬剤師や薬局長などの、役職に就く時期の違い。

役職に就く時期が早いほど、役職手当を受け取る期間が長くなり、結果として年収差が広がりやすくなります。

わずかな役職手当の差でも、長期的に見れば生涯賃金で数百万円もの大きな差につながります。

2つ目は、女性薬剤師の場合、結婚・出産・育児といったライフイベントによる働き方の変化です。

特に、管理薬剤師などの役職に就いてから育児休業を取得する場合と、一般薬剤師のまま育児休業を取得する場合では、育児休業給付金の額に差が生じます。

育児休業給付金は、休業開始前6か月間の賃金総額(役職手当を含む)をもとに計算されるため、役職手当がつく管理職の方が、受け取れる給付金も多くなります。

こうしたタイミングの違いや勤務形態の選択が重なることで、男女間の年収差として顕在化しやすくなります。

年代別に年収の目安を確認する

薬剤師の年収は、経験年数に応じて段階的に上がっていきます。

まずは年代別の相場を把握し、自分の現在地を確認してみましょう。

調剤専門薬局で働く一般薬剤師の年収目安(残業代別)は次のとおりです。

  • 新卒: 約400万円前後
  • 25〜29歳: 約400万円〜470万円
  • 30代以降: 約470万円〜554万円

このように、年齢とともに年収は上がりますが、一般薬剤師のままでは昇給ペースが緩やかになりやすく、一定水準で伸びが止まりがちです。

30代以降も年収を伸ばしたい場合、分かれ道になるのが管理職への昇進です。

管理薬剤師や薬局長などの役職に就くと、役職手当が加わり、年収は50万〜60万円ほど上乗せされるケースが多くなります。

実際に、30歳前後で管理薬剤師や薬局長、エリアマネージャーを任されると、年収650万円前後に届く例も珍しくありません。

年収を着実に伸ばすには、業務内容を広げ、役職手当が付く立場に進むかどうかが大きな分かれ目になります。

経験年数別に伸び方の傾向をつかむ

薬剤師の年収は、勤続年数を重ねるほど積み上がりやすい傾向があります。

薬剤師は腰を据えて働くことで、収入が伸びやすい職種です。

薬局長やエリアマネージャーなどの役職に就く人が増える勤続10年〜15年以降では、平均年収が647.1万円まで上がります。

調剤薬局に勤務している薬剤師の年収中央値の推移では、新卒の年収が約400万円でスタートした薬剤師が、5〜10年で約506〜552万円、10年以上では約594〜650万円となっています。

経験が収入に反映されやすいことが分かります。

一方で、年収には男女差がある点も押さえておきたいところです。

厚生労働省のデータでは、男性薬剤師の平均年収が約651万円、女性薬剤師が約556万円と、約100万円の差があります。

背景には、結婚や出産、育児によって勤務時間が変わったり、キャリアを一時的に止めざるを得なかったりする事情があります。

それでも、女性薬剤師の平均年収556万円は、日本全体の女性平均を大きく上回っています。

安定した収入を得やすい資格である点は、男女を問わず共通しています。

役職が変わると年収がどう変わるかを見る

年収アップを目指す近道は、管理薬剤師や上位職への昇進です。

管理薬剤師や上位職に就くと、調剤業務に加えて、店舗運営やスタッフ管理、在庫管理まで任されるようになります。

その分、役職手当が加わり、収入も一段上がります。

一般薬剤師の平均年収が約520万円に対し、管理薬剤師の平均年収は約650万円が目安です。

さらにエリアマネージャーでは700万円近くになるケースもあります。

また、年収アップを目指す場合、ドラッグストア併設型の調剤薬局や在宅専門薬局への転職、ラウンダー職や僻地勤務なども、年収を伸ばしやすい選択肢です。

役職が見えない職場に留まる限り、年収は頭打ちになりやすい傾向がありますので、異動や転職で環境を変えると年収の上限も変わります。

他職種と比べて見える薬剤師の立ち位置

薬剤師の年収を客観的に見るなら、他職種との比較が分かりやすい方法です。

薬剤師の中だけで比べていると、今の給料が高いのか低いのかは分かりにくいものです。

ここでは全国平均との差や医療職との比較から、薬剤師の収入水準の特徴を整理します。

全国平均との差で薬剤師の年収水準を確かめる

薬剤師の年収水準を把握するうえで、日本全体の平均年収との比較をしてみましょう。

厚生労働省や国税庁の統計では、薬剤師の平均年収は約599万円程度です。

実際には経験年数、地域によって大きく差があり、年収は約500万円〜600万円の範囲に分布していると言えます。

一方で、日本全体の平均年収は約418〜458万円程度のため、薬剤師との差は約120万円以上あります。

薬剤師は、専門資格であるため、日本全体の平均よりも高い年収傾向にあります。

地域別の薬剤師の年収ランキング

薬剤師の需給バランスによって、薬剤師の年収も異なります。

厚生労働省のデータを見ると、東京都は23位(平均年収609.3万円)、大阪府は36位(569.8万円)、神奈川県は34位(572.0万円)と、主要都市部は中位に位置しています。

福岡県は43位(540.1万円)、北海道は45位(528.6万円)、岡山県は46位(513.6万円)と、都市部でも年収水準は必ずしも高くありません。

都市部では薬学部が多く、薬剤師の供給が安定しているため、採用のために給与条件を大きく引き上げる必要がありません。

その結果、初任給や昇給が緩やかになりやすい傾向があります。

一方、地方では薬剤師の人数が限られており、採用自体が難しい地域もあります。

ただし、地方だからといって、転職初年度の年収が相場から大きく跳ね上がるわけではありません。

地方では実際に、前職の年収や経験を踏まえたうえで、採用初年度の年収を調整し、条件提示をしているケースが多く見られます。

地方だから年収が高いわけではなく、主要都市と同じく、腰を据えて働くことで昇給や昇進を通じて年収が伸びていく職場は多くあります。

地域に関係なく、特定の企業で長く働きながら役割を広げていくほうが、生涯年収は高くなりやすい傾向があります。

順位 都道府県 平均年収
 1位 熊本県 761.8万円
2位 広島県 715.7万円
3位 山口県 687.9万円
4位 新潟県 686.9万円
5位 大分県 677.2万円
6位 栃木県 667.7万円
7位 岩手県 665.4万円
8位 静岡県 665.2万円
9位 長野県 658.4万円
10位 和歌山県 646.9万円
11位 三重県 641.8万円
12位 香川県 633.7万円
13位 千葉県 631.9万円
14位 愛知県 631.4万円
15位 秋田県 629.3万円
16位 茨城県 627.8万円
17位 佐賀県 622.3万円
18位 石川県 620.6万円
19位 愛媛県 619.0万円
20位 福井県 612.6万円

一般企業の会社員と比べた収入の特徴

一般企業と比べると、薬剤師は収入が安定しやすい職種です。

医療業界は景気の影響を受けにくく、薬剤師の需要も継続しています。

女性の場合、日本全体の女性平均年収(約353万円)より、女性薬剤師の平均(約556万円)が高い水準にあります。

一方で、最初の給与水準が高いため、年数を重ねても伸びを感じにくい面があります。

医療職(看護師・医師)と比べて立ち位置を理解する

薬剤師は医療職の中でも収入水準が高めです。

薬剤師の平均年収(約556万円)は、看護師(約500〜520万円)の平均年収を上回ります。

ただし、医師(約1428〜1467万円)や歯科医師(約810〜1136万円)と比べると年収差は大きく、薬剤師は「資格だけで高年収が約束される職種」とは言い切れません。

そのため、薬剤師が年収を伸ばすには、実務でスキルと価値を積み上げる必要があります。

具体的には、診療報酬に基づいて現場で求められる「かかりつけ」「在宅」「OTC」など、加算要件に関わる領域で経験を積み、現場で成果を出せる人材になることが近道になります。

年収を上げるために選べる現実的なルート

薬剤師は初任給が高い一方、長期的には昇給が緩やかで、30代後半で頭打ちになるケースもあるため、戦略的なキャリア設計が重要です。

薬剤師の年収は自然に伸び続けるわけではありませんので、今の給与に納得できない、将来の伸びしろに不安がある場合、年収アップに向けた選択肢を考える必要があります。

昇進、資格取得、転職などを組み合わせて検討すると、現実的に年収を伸ばしやすくなります。

昇給と昇進の条件を先に確認する

現職で年収を上げる堅実な方法は、昇給・昇進です。

そのために、就業先の昇進条件と昇給率を先に確認しておきましょう。

一般薬剤師の平均年収約486万円に対し、管理薬剤師は約650万円が目安で、役職による差は大きくなります。

昇進ポストが限られている、昇給率が2%前後を下回るなど、伸びが見込みにくい場合は、今の職場だけで解決しないケースもあります。

専門性と資格で市場価値を上げる

年収を伸ばす方法の一つが、専門性を高めることです。

研修認定薬剤師や外来がん認定薬剤師などの認定・専門資格は、知識や経験を客観的に示す指標になります。

保有資格を評価する職場では、資格手当が支給される場合があります。

実際に、資格手当が月5万円、年60万円程度の上乗せになるケースもあります。

また、在宅医療の需要が高まっている現在、在宅医療の実務経験や、在宅療養支援認定薬剤師、ケアマネージャーなどの関連資格を持っていると、採用や評価の面で有利に働くことがあります。

職場と働き方を見直して年収を伸ばす

現職で年収アップが見込みにくい場合は、転職を視野に入れて、条件の良い環境を探すのも一つの選択です。

勤務地や働き方で待遇は変わりやすく、薬剤師需要が高い地域や全国転勤可などを選ぶと、手当が上乗せされることがあります。

また、調剤併設型ドラッグストアや製薬企業、ラウンダー職、管理薬剤師などは、比較的年収が上がりやすい職種・ポジションです。

雇用の安定性という点では注意が必要ですが、派遣として時給を上げ、結果的に年収を引き上げる方法もあります。

「まだ本格的に転職するつもりはない」と感じている段階でも、転職エージェントに登録し、現在の市場価値や求人の傾向を確認しておくと、判断材料が整理しやすくなります。

実際に転職はするかどうかは、転職活動して、内定条件を確認してから決めるのがよいでしょう。

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今の給料が妥当かを判断して次のステップを考える

本記事では、薬剤師の年収相場と、年収アップへの選択肢を整理しました。

・年収のピークと到達水準は「いつ、どの役職に就くか」で変わる

・薬剤師の平均年収は全体平均より高く、医療職の中でも高水準にある

・年収アップには、昇進、資格、転職を組み合わせた戦略が有効

少しでも参考になれば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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